今回紹介するのは「RPGEN」です。広告が無く、サービス利用料も無い、完全にサイト作者様の善意で運営されているサイトです。


 1. マルチプラットフォーム対応 

まず、ご自身の環境で正常に動作しなければいけません。
RPGENは、ほぼ全てのOSとブラウザで動作するように作られています。
PC、スマホで遊べるのはもちろんのこと、既に非推奨となりつつも未だに利用者が多いブラウザ「Internet Explorer」でも遊べるサイトです。
ただ、スマホは画面が小さいので、遊ぶだけなら十分ですが、創作活動には向いてないと思います。



 2. マルチな創作ができる 

RPGENで投稿できるものは、「マップ」「スプライト」「効果音」の3種類があります。

 2.1. マップ 

RPGENのメインコンテンツです。
スプライトやNPCやイベントなどが設置できます。
幅300×高さ300マスの範囲が使えます。
更に、移動ポイントや、マップ移動命令を使うことで他のマップにプレイヤーを飛ばすことができます。
これがRPGENの1つの目的で、色んな人が作ったマップをつなげて巨大な世界を構築できます。

 2.2. スプライト 

幅16×高さ16pxのドット絵を投稿できます。
動くスプライトの場合は、それに加え前後左右2枚ずつの計8枚がセットで投稿できます。
ツクールの規格の多くは32pxなのでそれに比べると非常に狭いですが、管理が楽です。
また、他人が投稿したドット絵の改造を新規作成する機能もあるので、初心者に優しいです。

 2.3. 効果音 

1ファイルあたり25KBまでと非常に厳しい制限がありますが、mp3ファイルを投稿することができます。
また、効果音を自作できるエディタも付属しています。

 2.4. 著作権の扱い 

版権キャラのスプライトや実在ゲームの効果音を素材として使えます。
また、投稿してもお咎めがありません。
更に、マップ内のBGMはYouTubeの動画なら何でも使えます。
そういったモラルの緩さが苦手な人にはオススメできません。
違う見方をすれば、他所の投稿サイトほど著作権に過敏になる必要が無いという訳です。



 3. イベント機能の貧弱さ 

ゲーム制作に大きく関わるイベント機能について紹介します。

 3.1. 戦闘機能が無い 

サイト名にRPGって入ってるのにこれではRPGではありませんね。
ところが、RPGENには、まるでRPGのようにモンスターと戦闘できるマップが存在します。
なぜなら、イベントを駆使するとツクール同様に自作戦闘システムが作れるからです。

 3.2. 変数が1つだけ 

数値の保持や計算ができる「変数」は、RPGENでは「お金」しかありません。
だから、ツクールより自作システムを作るのが困難です。

 3.3. 当たり判定は受動的 

NPCの動き方を「近寄る」に設定していても、プレイヤーが立ち止まっていれば当たり判定は発生しません。
ただ、バグ技で当たり判定が能動的に発生するようにする手段が用意されています。

 3.4. ツクールとの比較 

RPGENのイベント機能は、ツクールより劣っています。
しかし、制約が多いほど工夫を凝らしてでもクオリティの高いものを作りたくなります。
ツクールユーザーなら誰もが一度は感じることですね。

RPGENユーザーの中には、バグ技を研究している人がいます。
様々な応用技術が運営そっちのけで開発されています。
例えば、NPCが自発的に衝突するタイプの当たり判定や、NPCの座標を変数代わりに扱うHP計算などです。

そういった、普通のゲーム制作ツールとは一風変わった楽しみ方ができるのを含めてRPGENの魅力なんです。



 4. 思わぬところで高機能なRPGEN 

RPGENは他のゲーム投稿サイトと比べると一線も二線も画しています。
運営のお遊びか、やたら変な機能は充実しています。

 4.1. 常にオンライン 

RPGENのマップを歩くとき、オンラインで他のユーザーとリアルタイムでつながっているので、ときどき他人と遭遇します。
かといって、マップの内容に直接干渉する訳ではありません。
ただ、チャット機能で会話したり、マップ上にみんなで絵を描けたり、コミュニケーションに特化されています。

 4.2. 掲示板 

5chのようなスレッド形式の掲示板をマップ上に設置できます。
ゲーム系のマップでは、クリアした人だけが書き込める掲示板をゲームのクリア報酬に見れるといった使い方がされています。

 4.3. 画像表示やエフェクト表示 

RPGENでは、投稿されたスプライトでマップを作るのが基本ですが、イベントにあるこの機能を使うことで、マップ上に任意の画像を表示させることができます。
スプライトは16pxが拡大されたものなので正にドット絵って感じですが、この機能なら解像度が高い画像を表示できます。
また、エフェクトを表示する命令も存在し、ネット上に落ちているエフェクト用の画像素材を流用してRPGENでエフェクトさせることができます。



 5. ゲーム制作以外にもあるRPGENの楽しみ方 

RPGENの他の楽しみ方を紹介します。

 5.1. 雰囲気重視のマップを作る 

イベントを駆使してゲームを作ることも可能ですが、こちらはイベント機能が存在しなかった頃からある楽しみ方です。


この動画は初期のものなので全てのマップにイベントが設置されていません。

 5.1.1. 版権作品の世界観を再現 

スプライトは版権キャラが投稿されていることがあるので、それを使って気軽に二次創作ができます。
静止スプライトだと、GBAのポケモンの建物素材が、動くスプライトだと、けものフレンズや東方projectが結構揃っています。
物語の舞台を再現し、NPCの姿を版権キャラにしてそのキャラっぽいことを喋らせるだけでもうファンアートの完成です。

 5.1.2. ホラー系マップ 

恐怖画像や猟奇表現のスプライトもあります。
それらを使って、ホラーBGMを流すともうお化け屋敷の完成ですね。

 5.2. オフ会ならぬオン会? 

RPGENユーザーの間で不定期にオン会が開催されています。
 4.1で紹介したオンライン機能を積極的に使ってユーザー同士のコミュニケーションを楽しむ催しです。
ただ、RPGENのアクティブユーザーはかなり少ないので参加人数は数人程度の規模ですが。

 5.3. RPGEN独自のSNS 

トップページの右上にあるRをクリックすると入れるSNSがあります。
会員登録制で、登録してもすぐには他のユーザーを探せない閉鎖的なSNSです。
5.2のオン会で出会った人にフレンド申請すると、たちまちコミュニティ内の全員に存在を認知されるほどの狭さです。
7文字までのカタカナが使えるカスタムいいね機能があります。



 6. まとめ 

RPGENはもはやただのゲーム制作サイトと言えないほど多岐にわたる充実ぶりですね。
運営の今後の新機能実装予定の告知で、マイクラ風のマップを作れるというものがありましたが、今でも開発が続けられているサイトです。
今後の成長にも期待できそうです。